ヨガ通訳

先日とても有り難いお話をいただき、
今後はsakura yoga
ヨガ通訳(英日)として登録して
活動することになりました。
微力ながら尽力していきたいと思います。
頑張ります。


ここ数年ヨガ通訳をさせてもらう機会に恵まれてきましたが、
それ以前は、通訳という役割を私はずっと避けていました。

外国語で会話できることと、
通訳が出来るということは、
違うからです。

旅行は好きだし、
外国の友人とお話しするのは楽しいし、
仕事で海外の案件もしてきたし、
他者と意思疎通を図るのは、
全く苦ではないのですが、

通訳は、複雑。

その重要性を認識していながらも、
避けてきた理由は、
自分の英語運用能力に自信がなかったのと、
己の言葉に責任を持たなくてはいけないからでした。


通常の会話とは、
自分の思いや考えを自らの言葉で話し相手の反応を理解することです。

それに対して通訳は、
他人の言葉を聞いて理解して記憶して
他の言語に変換して話します。
通常の会話とは違う意識になります。

また、双方の言葉が分かると、
言語間の溝や、会話で生まれるズレがよくわかります。

通訳者は瞬時にズレを修正しながら、
テキパキと捌いていきます。
いくつもの作業を同時にするので、
複雑な頭脳労働です。

そんな訳で、以前は自分が通訳をするなんて無理…
と思っていました。


特に考えずに訳が出来る時もありますが、
私は基本的に注力しないと出てきません。

コンディションが悪いと
中学英語レベルの訳すら出てこない瞬間があります。

(私が食生活や脳のパフォーマンスに拘るのはこのせいです。
全力で挑めない状態を作らないようにしたい。)

現場で難しい場面に遭遇した時、
まるで太平洋を泳いで横断している気分になることがあります。
(私、カナヅチだけど…)

それなのに、それなのに、
自分に通訳を依頼してくれる方々がいて、有り難くて嬉しいです。

私には、それに応えたいという気持ちが、強くあります。


この節目に、
過去の自分のヨガ通訳はどうだったかを
改めて振り返ると、

私には職業的に通訳案件をこなしてきた実感は薄く、
例えていうと「口寄せ」的な仕事だったと思います。

こういう経験はありませんか?

言葉を超えて相手の言いたいことが直感で分かるという瞬間。

今までの私は、この勘でほとんどの場面を切り抜けてきました。

結果、独特な意訳が多かったと思います。(汗)

みどり風味の味付けでハマる場合は良いのですが、
正直、それ以外の訳が出来なかったとも言えます。

幸い、今まで担当してきた方々は、
同じ流派のヨガの先生や友人であったり、
既に私と関係性があったり、
何らかの形で信頼できる相手の言葉を運ぶ案件ばかりでした。
だからなんとか納めることができてラッキーでした。(冷や汗)

職業通訳となると、それでは追いつかないですね。
これからはイタコ的直感に頼るだけでなく、
知らない領域の知識と言葉を積極的に学んでいきます。

口寄せ系の巫女風な私の個性は変わりませんが、
(というか変えられないですが、)
今後は客観性も保って幅のある訳出ができるように、
経験を積み上げていきたいと思います。


通訳技術については、
きちんと習得する必要を感じたので、
2017年から3年間、北海道通訳アカデミーで学んでいました。

基礎から始め、
最後の一年はプロ通訳コースで会議通訳を練習しました。

国際会議や政治、環境問題などを扱うプロのクラスで
一般常識すらあやしい私は劣等生でしたが、
熊谷ユリヤ先生からはたくさん学ばせていただきました。

本当に格好良い通訳の姿を教えてもらいました。
ありがとうございました。


そして重要な事ですが、
自分の英語に確かな自信が持てる日は来ないだろうと、
諦めました。(良い意味で!)

バイリンガルでも国際結婚でもない日本に住む私。
それでいいのだ、と。

わからないなら、勉強すればいい。

覚えて忘れてを繰り返し、
話して聴いてを繰り返し。

過去にたくさん経験してきた
悔しさや気まずさから
這い上がりたいという想いが
常に私にはあります。


さらに、通訳といえば、
忘れられない先輩がいます。
tomato workshopで出会ったユウキさん。

そこではロンドンのクリエイティブおじさんと兄さん達が
全力で仕事することと遊び倒すことを
当時20代の私に示してくれました。

強烈なメンバーの通訳をしていた彼の姿が、
しっかりと私の中に焼き付いています。

私は、あんな風になりたい。

流暢な言葉と豊富な知識と強い意志と自信を持って話す姿と、あの声。
そして夜は綺麗な女性といちゃついていたのも覚えています。(笑)

あのワークショップで、もちろんジョン、スティーブ、ダーク、ジョエル、トータさんからも学びましたが、
私はユウキさんからもかなり多くを得ていたようです。

その節はありがとうございました。今もお元気で活躍されていると思います。


通訳は重要な役目です。

それを知りつつ、
自信も実力も足りなかった以前の私でしたが、
もう観念します。

かつて自分がしてもらったことを、
返していく番が来ました。
がんばります。

(仕事も遊びも恋も)